料亭用語集
GLOSSARY
赤伝票・黒伝票上がり座り上がる・下りる一見さん一見倒し一本裏壁さん裏通り大門町大門通り遅番・夜番お茶を引くお局さんお運びさんおばちゃんお待ち御神酒徳利角店口開け組合系列店験が付く玄関玄関が合う玄関慣れ源氏名験茶桜木町三人座り時短じゃり青春通り体験入店タイマー対面店なし縦筋時計台仲居さん中番嘆きの壁馴染みさん年金通り張見世・張店早下ろし早番・朝番一人座りひやかし百番通り二人座り太客坊主まいど店馴染みミテコ・みてこメイン通り山吹町弥生町妖怪通り若菜町
赤伝票・黒伝票(あかでんぴょう・くろでんぴょう)
上がり座り(あがりずわり)
メインで玄関に座っている女の子が上がっているときだけ座ることを「上がり座り」と言います。
例えば、女の子が出勤して一人座りになっているところに新人さんの体験入店がある場合、その先輩の女の子にお客さんがついて玄関が空くときにだけ新人さんが玄関に座るといった様なことです。
「今日新人さん来るけど上がり座わりさせてええ?」とおばちゃんが確認したりするわけです。
他にも、お客さんが良く上がるベテランの女の子と上がりが悪い女の子が一緒に出勤になった場合、客ウケの良い子がメインで玄関に座っていてお客さんがついて玄関が空いたときだけ上がりが悪い女の子が座る、といったケースもそうです。「今日アンタは上がり座りしてな」という風におばちゃんに言われる感じです。
ただし初めての子は客にウケが良かったりするため、新人さんは上がり座りがない料亭も多いようです。
関連ワード:一人座り・上がる・下りる・おばちゃん上がる・下りる(あがる・おりる)
一見さん(いちげんさん)
一見倒し(いちげんだおし)
新規のお客様がお店に初めて来店してその後リピート(繰り返し来店)させることができない場合、または接客が悪い女の子に対してこの表現が使われます。一本(いっぽん)
飛田新地では一万円の料亭の売上ごとに一本(いっぽん)という単位で表現されます。
フーゾク業界ではお客さん1人を接客することを「一本」と言うので、フーゾク経験者の方は注意が必要です。
例えば、16,000円のコースを2名接客すると32,000円となります。
そこからおばちゃんの歩合を引くとお店の売上は30,000円になりますので、「三本ついた」ということになります。
「この子は三本ね」とおばちゃんが言ってるときは、お客さん3人ではなくお店の売上が30,000円ということになります。
関連ワード:おばちゃん裏壁さん(うらかべさん)
裏通り(うらどおり)
大門町(おおもんちょう)
大門通り(おおもんどおり)
飛田新地は場所によって、働く女性の年齢層や収入に違いがあります。
大門通りは飛田新地内の東西の通りの中でも北から3番目に位置し、お客様の数が多く、若い女性、主に20代から30代前半の女性が働いている通りです。
年齢層やお給料体系については、青春通りや大門通りでも同様です。
関連ワード:青春通り
遅番・夜番(おそばん・よるばん)
お茶を引く(おちゃをひく)
出勤しても1人も接客できず、暇な状態を指して「お茶を引く」と言います。
この表現は、江戸時代などの昔に、お客様がいない暇な芸妓や遊女に対して、茶臼で葉茶をひかせたことに由来します。
このため、暇を持て余す状態を「お茶を引く」と表現します。
また、出勤した日に1人も接客せずに帰ることを「坊主」と言いますが、坊主のことを「お茶を引く」と呼ぶことがあります。
関連ワード:坊主お局さん(おつぼねさん)
通常は組織や職場において、長い間勤務し経験豊富で地位や権威がある女性を指すことが一般的です。
飛田新地などでは在籍年数が長く、悪い意味で幅をきかせている女性のことを指す場合が多いです。
裏通りに多く在籍している傾向にあります。
関連ワード:裏通りお運びさん(おはこびさん)
おばちゃん
お待ち(おまち)
御神酒徳利(おみきどっくり)
一般的にはいつも2人で連れ立っていること、仲の良い2人のことを言いますが、飛田新地ではおばちゃんと女の子2人一緒に移籍したりするときに使われます。
おばちゃんを雇ったときに女の子もついてきてラッキーなときに使われますが、「御神酒徳利やから気ぃつけや」など、おばちゃんと女の子2人いっぺんに退店してしまったり、2人で売り上げをごまかしたりなどの注意換気で使われることもあります。
関連ワード:おばちゃん角店(かどみせ)
口開け(くちあけ)
女の子が出勤して、最初にその日の接客をすることを「口開け」と呼びます。
お気に入りの女の子が口開けとなるタイミングを狙ってお店を訪れるお客様もいらっしゃいます。組合(くみあい)
飛田新地料理組合を略して「組合」と呼ばれています。
飛田新地で店舗を運営するためには、飛田新地料理組合への加入が不可欠です。
組合に加入したオーナー方たちの事務所が青春通りの東側にあることが多く、そこで定期的に会合を開催しています。
この組合は、飛田新地を健全で治安の良い地域として維持し、発展させるために活動するだけでなく、地域社会への貢献活動を行い近隣住民に対して料亭文化に対する理解を広めるなど、さまざまな活動を展開しています。
関連ワード:青春通り系列店(けいれつてん)
飛田新地では、一人の経営者は通常1軒の料亭しか運営できません。
しかし夫婦で別々の店舗を経営したり、家族や親族で複数の店舗を運営したりするという、系列やグループの店舗も存在します。
応募を検討する際に以前在籍していたお店がどの系列に属するか気になる場合は、お気軽にお問い合わせいただければと思います。験が付く(げんがつく)
出勤したその日に初めてのお客さんがつくことを「験が付く」と言います。玄関(げんかん)
玄関が合う(げんかんがあう)
玄関慣れ(げんかんなれ)
飛田新地のシステムは、女の子が店の玄関に座って、道行く男性に目線や笑顔を振りまいてお客様を呼び込むというスタイルです。
この玄関での立ち振る舞いの技術を得て、お客さんがよく上がるようになり稼げるようになってくることを『玄関慣れ』と言います。
玄関に座ってお客様がたくさん上がり、収入を増やす女の子も初日から存在します。
しかし料亭経験のない女の子の場合、通りを歩くお客様に対する笑顔が不慣れであったり、愛想よく接客する方法が分からなかったりすることがあります。
このような場合、おばちゃんからの指導を受けながら何回か出勤し経験を積む過程で、徐々にコツをつかんでいきます。
最初は収入があまり上がらなかった女の子が数日経過することで収入が急激に増加することは、飛田新地では一般的なことです。
関連ワード:おばちゃん・玄関・玄関が合う・上がる・下りる源氏名(げんじな・げんじめい)
女性従業員が飲食店や風俗店で使用する仮の名前を「源氏名」と呼びます。
この用語はキャバクラなどの水商売でも一般的に使用されます。
源氏名は通常お店が指定することが多いですが、中には希望する名前をつけることを許可するお店もあります。験茶(げんちゃ)
お客様がなかなか上がってこない場合、おばちゃんが女の子におごってくれる飲み物を指します。
通常は近くの喫茶店からの出前で、お茶だけでなく、コーヒーやジュースも含まれることがあります。
おばちゃん以外にも、時にはマスターやママがおごってくれることもあります。
女の子にお客様が1人でも多く付くようゲンかつぎの意味で行われます。
関連ワード:おばちゃん桜木町(さくらぎちょう)
三人座り(さんにんずわり)
時短(じたん)
コースの決められている時間よりも短い時間でお客様の接客を終了してしまうことを指します。
決められた時間よりも短いので、お客様は損をしていることになるのでクレームの原因にもなります。
「時間短縮」が略されて「時短(じたん)」となり早下ろしとも言います。
ネットやSNSではさらに略されてGTNと書かれていることもあります。
関連ワード:早下ろしじゃり
青春通り(せいしゅんどおり)
体験入店(たいけんにゅうてん)
タイマー
接客時間の管理のためにおばちゃんがタイマーを設定し、ベルやブザーなどでお知らせしてもらえます時間が終了前に知らせてもらえます。
知らせるタイミングは終了する7分前・3分前・1分前や5分前・3分前・1分前などお店によって異なります。
時間設定も、お客さんが階段を上がってから接客して下りるまでだったり、料金を受け取ってから接客して下りるまでだったりなど、お店によって異なることがあります。
関連ワード:おばちゃん対面店なし(たいめんてんなし)
通りの向かいにお店がない、または通りを挟んだお店の玄関が向かい合っていないことを指します。
向かいに玄関がない状態なので、別のお店の女の子と顔を合わせずに済みます。
また、お客さんが通りを挟んで女の子の目移りがないということもあります。
なお通りの向かいにお店があっても、それぞれの玄関が真正面から多少ずれていれば「対面店なし」とされることもあります。
関連ワード 張見世・張店縦筋(たてすじ)
時計台(とけいだい)
仲居さん(なかいさん)
中番(なかばん)
嘆きの壁(なげきのかべ)
飛田新地周辺は大正時代から昭和初期まで、高い壁で囲まれていました。
この壁は、働く女性が逃げ出せないように、娑婆(俗世間)とは乖離した場所であるということを示すイメージから「嘆きの壁」と呼ばれることもありました。
現在では飛田新地の東側には、新地側から見て約5メートルほどの壁があり、歴史の名残を感じさせます。
しかし、今では壁に数か所の階段や通路が設けられ、徒歩や自転車で抜けることができるようになっています。馴染みさん(なじみさん)
年金通り(ねんきんどおり)
張見世・張店(はりみせ)
元々は吉原遊廓などがあった江戸時代の頃に、お店の1階部分に木で組まれた格子の中から遊女が客を待つ姿やその場所を「張見世(張店)」と呼んでいました。
現在の松島新地においては、接客や休憩中でない限り出勤している女の子は全員が張見世に座るシステムです。そのため今でもお店の玄関先で通りに向かって女の子が何人か座っているところを「張見世(はりみせ)」と呼んでいます。
それに対して飛田新地では玄関に1人ずつ座っており、他の女の子は接客や待機をしているためそのようには呼ばれず、そのまま「玄関」と呼ばれています。
関連ワード:玄関早下ろし(はやおろし)
決められた接客時間より、短かい時間でお客さんへの接客を切り上げてしまう状況のことを指します。
飛田新地は料金が5分ごとに増加するシステムを採用しているため、早下ろししてしまうとお客さんからクレームが発生することもあります。
関連ワード:時短早番・朝番(はやばん・あさばん)
一人座り(ひとりすわり)
ひやかし
百番通り(ひゃくばんどおり)
二人座り(ふたりずわり)
太客(ふときゃく)
馴染みさんの中でもお店に10万円を気軽に渡し「おまかせで」と頼むような、太っ腹なお客さんを「太客」と呼んでいます。
ただし太客といっても1日に何人も訪れるわけではなく、お店側もどの女の子をつけるか悩むこともあります。
また特定の気に入った女の子に10万円や20万円を支払って遊ぶ様なお客さんに対しても太客と呼んだりします。
水商売の世界などでもこの言葉を使う業界はあります。
関連ワード:馴染みさん坊主(ぼうず)
一説で「坊主は、もう毛が無い→儲けがない」が語源とされることから、出勤したけれどもその日に1人も接客できず、稼げないことを坊主と言います。
お客さんの少ない時間帯や悪天候、出勤時間が極端に短い場合などに坊主になることがあります。
関連ワード:お茶を引くまいど
店馴染み(みせなじみ)
同じお店に何度も訪れる常連さんを「店馴染み(みせなじみ)」と呼びます。
店馴染みさんには新人さんが来られる日を知らせたりしますので、新人の女の子にとっては店馴染みが多い料亭だと稼ぎやすいということもあります。
店馴染みさんは特定の女の子の馴染みさんになることもあります。
関連ワード:馴染みさんミテコ・みてこ
「身分証明(ミ)が提示(テ)できない女の子(コ)」を略して「ミテコ」です。
飛田新地では20歳未満の女性は働くことが許可されていませんので、働く際には身分証明が必要となります。
身分を証明するものとしては、
●本籍地つきの住民票
●マイナンバーカード
●運転免許証
●パスポート
●特別永住者証明書
●住基カード(有効期限は発行から10年、2015年末で発行終了)
などがあります。
また風俗業界等、料亭以外の様々な業界でも「みてこ」と呼んでいます。メイン通り(めいんどおり)
山吹町(やまぶきちょう)
弥生町(やよいちょう)
妖怪通り(ようかいどおり)
若菜町(わかなちょう)
飛田新地の組合や料亭経営者の方々は、飛田新地の1番南にあるに東西の通り(以前は年金通りとも呼ばれていた)に面している料亭のことを若菜町のお店として認識されています。
若菜町会の区画として、各料亭が定期的に集まって会議や活動などもされています。
関連ワード:年金通り